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日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていますか? 悩みや不安を感じているのはどのようなことについてですか? ~内閣府の「国民生活に関する世論調査」より~

 前回の投稿では内閣府の「国民生活に関する世論調査」の中から、「問1. あなたのご家庭の生活は、去年の今頃と比べてどうでしょうか。」という質問に対する調査結果を見てみました。

目次

前回投稿の振り返り ~「去年と比べて「現在の生活」は向上した?低下した? ~内閣府の「国民生活に関する世論調査」より~」~

 詳しくは前回の投稿をご参照いただきたいと思いますが、令和5年11月の調査結果では、「向上している」5.4%、「同じようなもの」58.3%、「低下している」35.9%という結果で、去年と比較して自身の家庭での生活が「低下している」と感じる方が、「向上している」と感じる方を大きく上回りました。この結果は前年の令和4年10月に同じ質問をした時に比べても、状況が悪化しています。

実質賃金の伸び悩みも影響?

 それぞれの家庭で所得の伸びよりも、生活をするための物価、サービス価格の伸びが大きくなって、実質の購買力が下がってしまっていることも影響しているのかもしれません。

 大企業を中心に賃上げの動きが報じられていますが、中小企業や自営業の様な中小規模の事業者では、大企業の様な賃金上昇は望みづらい状況が続いているものと思われます。 また、収入の多くを年金に頼る年金生活者についても、年金支給額の上昇を抑制されて、物価の伸びに収入が追いつきません。

 この様に年々生活が低下していると感じるという状態が続くと、将来に明るい見通しを描くことができず、将来不安が大きく膨らんでしまいます。

 同じ調査(内閣府の「国民生活に関する世論調査」)の中にある、別の設問に次のようなものがあります。

「問6. あなたは、日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていますか。それとも、悩みや不安を感じていませんか。(◯は1つ)」

 令和5年11月の結果を見てみると、、、

「問6. あなたは、日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていますか。それとも、悩みや不安を感じていませんか。(◯は1つ)」

令和5年11月調査
感じている(小計)75.9%
・感じている34.8%
・どちらかといえば感じている41.1%
感じていない(小計)15.5%
・どちらかといえば感じていない12.4%
・感じていない・3.2%
内閣府「国民生活に関する世論調査」 令和5年11月

 「感じている」と「どちらかといえば感じている」を合わせた「感じている(小計)」の数字を見ると75.9%となり、全体の3/4以上が、日頃の生活の中で悩みや不安を感じているという結果です。

 不安を感じるか感じないかについては、同じ環境にあっても個人差が出るのではないかと思いますが、先に紹介しました生活が低下していると感じる傾向が強まる中では、不安や悩みを抱える方が大半であるというのも納得ができます。

40代が全世代平均取らべて悩みや不安を持つ割合が10%ほど上回る。

 今回の質問の結果を見ると、傾向としては年齢を重ねた世代の回答のほうが、若い世代の回答よりも不安や悩みを感じる割合が減少していますが、年代別で見て一番不安や悩みを抱えている世代は40~49歳の方々で、全世代の平均よりも10%近く不安や悩みを感じている方々が多いという結果でした。
 子育て、仕事、家族の介護など様々な環境が押し寄せる一方、自分自身の老後の備えも進めていかなければならない世代として、悩みや不安が数多くある世代なのかもしれません。

 次に、悩みや不安があると回答した方を対象に、その悩みや不安の内容を聞いた質問について見ていきましょう。

「問7. 悩みや不安を感じているのはどのようなことについてですか。(◯はいくつでも)」

老後の生活設計について63.6%
今後の収入や資産の見通しについて59.8%
自分の健康について59.2%
家族の健康について50.7%
現在の収入や資産について47.0%
進学、就職、結婚、子育てなど、家族の生活上の問題について25.5%
進学、就職、結婚、子育てなど、自分の生活上の問題について23.0%
勤務先での仕事や人間関係について17.3%
家族・親族間の人間関係について16.2%
近隣・地域との関係について7.5%
事業や家業の経営上の問題について6.5%
その他 1.5%1.5%
無回答0.2%
内閣府「国民生活に関する世論調査」 令和5年11月

 調査結果の上位に入ったのは、お金、健康、人間関係などに関するものが中心でした。

 特に一番回答が多く集まった「老後の生活設計について」は、約2/3の人があげています。生きている限りすべての人に訪れる「老後」。身近なロールモデルとなる両親や親族の過ごす「老後」と同じ様なサポートを受けられる保証もなく、年金支給額が減ってしまう見通しが言われる一方、平均寿命が伸びて「100年人生」などという話題も出る現状から、不安を感じてしまうのは当然の反応ではないかと感じます。

「老後の生活設計」について

 年々、平均寿命が伸び、年金収入に頼ることになる「老後」の期間が長期化していく一方で、年金を担当している厚生労働省は、年金支給額は将来に向けて減少する見通しを示す試算結果を発表しています。

 将来受け取れる金額が少なくなる可能性が高い年金、長期間「老後生活」を行うことになることから、「老後の生活設計」については不安が大きくなってしまうことも当然の反応であると思います。

この記事のまとめ

 将来の不安については、日頃から新しい情報を集めて、「正しく恐れて、正しく準備する」ことが、不安解消、もしくは不安減少の第一歩になります。

 心のなかに漠然とある不安をひとつずつ丁寧に認識して、今日からできる準備を進めていくことで、不安は小さくなっていくはずです。

 不安の内容は人それぞれ。自身の置かれた環境によっても変わってきます。
 まずは「何が不安かわからないけれど、なんだか不安や心配を感じる」という状況を脱するためにも、自身の中にある「不安」と向き合ってみませんか?

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この記事を書いた人

このブログの主、SORAです。
50歳手前のサラリーマン。
妻とともに関東の近郊都市に暮らしています。

団塊ジュニア世代として生まれ育ち、日本経済のバブルが弾けた後の「就職氷河期」に社会に出ました。バブル経済崩壊後の長期低迷経済の中で社会人生活を送り、ITバブルの崩壊、リーマン・ショック、コロナ・ショックなどの経済不況をくぐり抜けて、本格的な経済成長をあまり実感することなく生活をしてきました。

社会人となって以降、日本経済の不況期を渡り歩くサラリーマン生活を続けてきましたが、50歳目前になって自分自身の将来を見渡してみると、定年の年齢が近づきつつあり「老後」の人生を意識する年齢にもなってきました。

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